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木の幹につけた傷口からしみ出てくる乳白色の樹液。それが麗しい光沢を放ち、堅牢な塗料になることを、日本人は9千年も昔から知っていました。ウルシの木の樹液である「漆」。「うるわし」を語源にするとも言われています。
漆黒の光沢を放つ漆芸品は、近世になると、西欧の人々までも魅了します。その流行は、「ジャパニング」と呼ばれる模倣品が作られるほどでした。
しかし漆の歴史を知るほどに分かるのは、漆と日本人の絆の深さです。日本の風土に生まれ育つウルシは、日本の伝統文化の中でこそ「漆」としての魅力と特性が存分に生かされてきたと言えるでしょう。
漆の里、浄法寺―。国産漆のうちの約6割を生産している浄法寺では、漆の文化を絶やしてはならないと、漆掻き職人たちがウルシの木を育て、塗師たちは国産漆にこだわった漆器を作り続けているのです。
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